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急に気温が上がって汗ばむ季節となりました。そこで一番気になるのが汗の臭いですが今回は男性の香りの文化についてご紹介いたします。
参考は公益財団法人日本アロマ環境協会機関誌No.107『男性の香り文化 室町時代~江戸時代』文=内野花氏の文章です。
■香りは纏うもの
現代では、女性の方が男性よりも香りに詳しい人が多く、女性向けの商品も非常に多い傾向があります。しかし、日本の香りの歴史を振り返ると、男性の香り文化も女性のものに負けずに非常に豊かでした。
日本では、昔から衣や髪に香りを焚き、さらには空間を演出することで香りを楽しんでいました。直接肌に香水をつけるのではなく、香りを間接的に纏う方法を用いることで、香りが体臭と混ざり合って個性的な香りとなることが少なくなります。そのため、香りの素材を厳選し、香りそのものを追求する文化が発展してきました。その一つが、15世紀後半に成立した香道です。香道は室町時代後期に活躍した公家の三条西実隆や足利将軍家に仕えた志野宗信などによって知られています。特に宗信は、香木の分類基準である「六国五味」を定め、香道の発展に尽力しました。六国五味は、香木を産出地名に基づいて六つに分け、香りを五つの風味で表現したものです。これは14世紀に活躍した佐々木道誉が香木のコレクションを分類する際に考案されました。
道誉は歴史に名を残す派手好きなバサラ大名でありながら、同時に連歌や立花、茶、香など、当時の文化を愛した人でした。道誉の香りの楽しみ方は非常に大胆でした。通常、香を楽しむ場合は香木の小片から立ち上がる香りを楽しむものですが、道誉は屋外で沈香を焚くことを好んだと言われています。当時は香道が成立する前でしたので、好まれる香りやその強さも異なっていたかもしれませんが、屋外で直接燃やせば非常に強烈な香りが漂ったことでしょう。
■外国人から見た日本の香り文化
約200年後の16世紀後半には、ルイス・フロイトという宣教師が来日し、その滞在中に経験したことを記録に残しました。彼は、銀葉の上に「小麦二、三粒の沈香の小片」を置く「聞香」や、日本人が好む香りについて、さらには貴人を訪問する際の贈り物として「上等の伽羅または沈香」が好まれることを記しています。彼にとって、日本は沈香を愛でる国のように映ったようです。
■男性の香り文化は教養の一環だった
そして17世紀の武士にとって、沈香は身なりを整える際にも欠かせないものでした。有名な『葉隠』には、「毎朝行水し、月代髪に香をとめる」ことが武士の習慣として記されています。日本の男性の香り文化は、教養の一環でもあったようですね。
■現代男性の香り文化はエチケットに
現代の男性の香り文化では、個人の嗜みよりも体臭を抑えることに重点が置かれています。男性は香水やデオドラントなどを使用し、清潔感を保ちつつ独自の香りを纏うことを好む傾向があります。体臭の抑制や周囲の人々への気配りが重要視され、自己表現の一環として香りを取り入れることが一般的と変化していきました。
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